NA・NA・MI

少し重くなった足取りも、家に向かって歩く。

近所のおばさんに会っても、アタシに声をかける所か、視界にすら入れてくれない。


アタシは家の前に着いてもすぐには家の中に入れなかった。


ババァはアタシのこの姿を見て何て言うだろうか?



親子なんだし…気付くよな?



アタシは思い切って家のインターホンを鳴らした。



「……」






もう一度インターホンを鳴らし、少し待つと懐かしいババァの声が聞こえた。



「はーい」



アタシはババァと顔を合わせるのに、初めて緊張していた。


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