NA・NA・MI
「アタシはね、高校を卒業したら短大に行くはずだった。アンタのせいで行けなくなってアタシの人生が狂ったんだよ!!」
ババァは何も言わないで、寂しそうな顔をして下を向いた。
アタシは攻撃の手を緩めない。
「アタシ、アンタじゃなくてお父さんに引き取られたら幸せだったのに!何でアタシを引き取ったの?!」
何で何も言い返さないんだ?
アタシは必死になって、ババァが1番傷付きそうな言葉を探す。
アタシは
東京の寮のカビ臭い布団が痛いんだ!
オヤジに売ったこの身体が痛いんだ!
整形したこの顔が痛いんだ!!
これくらいの言葉、ババァはちっとも痛くないだろ?