NA・NA・MI
アタシの大切な人
アタシは又、東京へ向かう為の電車に乗った。
カタンコトン
カタンコトン
昔の事を色々と思い出す。
東京への道のりは果てしなく遠い。
夢も希望も無く、負け犬として田舎に戻る勇気が無く、ただ生活をする為にアタシは東京に戻るんだ。
仕事も無ければ住む所もない。
とりあえず、仕事を決めない事には住む家も探せない。
顔を上げると、満面の笑みを浮かべた広告の菜実と目が合った。
なぁ、菜実。
面白いくらいの落ちっぷりだろ?
自分でも笑えるくらいだよ。
アタシを乗せた電車は、東京に止まった。