NA・NA・MI
アタシの大切な人

アタシは又、東京へ向かう為の電車に乗った。



カタンコトン


カタンコトン



昔の事を色々と思い出す。



東京への道のりは果てしなく遠い。


夢も希望も無く、負け犬として田舎に戻る勇気が無く、ただ生活をする為にアタシは東京に戻るんだ。


仕事も無ければ住む所もない。



とりあえず、仕事を決めない事には住む家も探せない。


顔を上げると、満面の笑みを浮かべた広告の菜実と目が合った。


なぁ、菜実。
面白いくらいの落ちっぷりだろ?


自分でも笑えるくらいだよ。




アタシを乗せた電車は、東京に止まった。


< 380 / 425 >

この作品をシェア

pagetop