NA・NA・MI

伸ばしっぱなしで手入れをしていない髪は、ペタンコのボサボサになっている。

服も黄ばみと汚れで我ながら小汚ない…。

それでこのブス面じゃあ、飲食店で雇って貰える訳がない。


でもアタシは言った。


生活がかかっているんだ。



「そこを何とかお願いします!」



アタシはそう言って思い切り頭を下げた。



「……」


「アタシ、生活がかかってるんです!給料が入ったら身なりもちゃんとしますから!!」



必死に頭を下げるアタシに女は言った。



「…ごめんなさいね。うちも商売なのよ。そんなに大変なら親御さんの所に行ったらどうかしら?」


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