NA・NA・MI

一瞬ババァの顔が浮かんだけど、アタシは言った。



「どうしてもダメですか?」


「ごめんなさいね…。じゃあ…」



そう言って店に戻る女に向かってアタシは叫んだ。



「ふざけんな!糞ババァ!!路頭に迷ったら、お前を一生恨んでやるからな!!!」



そしてアタシは走って逃げた。

街を歩く奴等がアタシを見る。


見るな!見るな!見るな!


今のアタシは小汚ない、薄汚れた女なんだ



アタシヲミナイデクレヨ



そしてアタシのヒールがついに悲鳴を上げて折れたんだ。


バキッ


イタイヨ


ってね……。


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