NA・NA・MI

アタシはヒールが折れた靴を抱えて、いつもの公園へと向かった。


公園に向かう途中、凄い人だかりを見掛けた。



撮影か何かか?


人混みの中で話し声が聞こえる。



「あれが菜実ちゃん?」


「うん。凄い綺麗だね。スタイルもいいし」


「本当だ」



菜実が居るのか?


溜め息混じりの声を聞くと、アタシは人混みを掻き分けて、菜実がいるだろう方へと歩いて行く。



「やだ、臭い」



アタシをまるでウジ虫やゴキブリを見るような目で、菜実目当ての奴らが見る。


アタシが歩くと道が空き、1番前にたどり着いた。


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