NA・NA・MI
嫌われ者のアタシは、周りの目が痛かった。
「やっぱりね…」
やっぱりって何だよ?
「顔だけ…」
アタシはアタシの悪口を言う女をキッと睨んだ。
あっ、ヤバいヤバい。
これがダメなんだ。
アタシはさっき睨んだ女に、慌てて作り笑顔を向けたけど、女はプイッと向こうを向いた。
遅かったか……。
スマイル、スマイル。
気を付けよう。
その時、菜実が取り巻きに囲まれて、笑っている姿が見えた。
菜実はアタシを見下したような目をして笑う。
菜実だってバカでしょ?アタシといつもどんぐりの背比べだったんだからさ。