NA・NA・MI

――カタッ



菜実が頭を床にぶつける音でアタシは正気に戻った



菜実の血が床一面に



広がっていくんだ……



生暖かい血が


アタシを赤く染めていく



アタシは菜実の顔を


ただ呆然と見つめた




これが現実なのか


夢なのか分からない



その時

転がっている菜実の手が、何かの紙を握りしめているのが分かった




アタシは菜実の手が握りしめている紙を、血で汚さないようにソッと取り上げた



……?

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