NA・NA・MI
アタシは先輩の怒りを感じた瞬間、すかさず言った。
「あ、私、佐藤ですから。じゃあ、ごめんあそばせ」
ハンカチを洗面台の上に置き、トイレを出ると猛ダッシュで逃げた。
アタシは笑いが止まらない。
あの状況になってアタシだって言ったって、先輩は信じない。
アタシは大笑いすると、もっと大きな虚しさがアタシを襲った…。
これでいいんだ。先にやらなきゃ、アタシが菜実に潰されるんだから。
アタシは負けない。