NA・NA・MI
「良かった」
満面の笑みで言う神谷くんは、王子様みたいだった。
絶望の高校生活を送っているアタシに、それでも頑張っているアタシに、神様がくれたプレゼントだ。
「やべぇ、授業遅れるな。じゃあ後で」
「うん」
神谷くんは走って出て行き、アタシは告白の余韻に浸っていた。
体育なんてやってる場合じゃないだろ。
アタシは少し時間を置いて、こっそりと非常階段に行くと、体育をしている神谷くんを盗み見した。
男子はサッカーをしていて、グランドを走り回る神谷くんは、やっぱりカッコいい。