NA・NA・MI

アタシは体育の授業が終わる少し前に教室に戻る。


教室に戻ると冴えない堅物な顔をした男の子が、カリカリと勉強をしていた。


上機嫌なアタシは自分が嫌われ者だという事さえ忘れて、男の子に話しかけた。



「体育の授業出なかったんだ?」


「…僕は体育は嫌いですから」



そうだろう、そうだろう。


アンタにはサッカーなんて似合わないよ。



「ねぇ、名前は?」



今のアタシは皆に幸せを与えてあげられる女神様。冴えない、女と一生縁が無いだろうアンタと話してあげるわ。


< 69 / 425 >

この作品をシェア

pagetop