NA・NA・MI

その日からアタシは逃げた。

菜実と神谷くんが話しているのを見掛けては、見ない振りをして…。


神谷くんと二人になるのをずっと避けた。








「佐藤さん、元気無いね」



バイト中、最近入って来た大学生の松木がアタシに言った。



「年頃なんで色々あるんです!」



アタシはムッとして答えた。


アタシは普段、バイトの人とは話さない。


ここはお金を稼ぐ所。


アタシのプライベートな事に、首を突っ込まないでよね!!



「ごめんごめん。まぁ、気晴らししたかったら言ってよ?俺、ドライブくらいなら連れて行ってあげられるからさ」


< 82 / 425 >

この作品をシェア

pagetop