NA・NA・MI
その日からアタシは逃げた。
菜実と神谷くんが話しているのを見掛けては、見ない振りをして…。
神谷くんと二人になるのをずっと避けた。
「佐藤さん、元気無いね」
バイト中、最近入って来た大学生の松木がアタシに言った。
「年頃なんで色々あるんです!」
アタシはムッとして答えた。
アタシは普段、バイトの人とは話さない。
ここはお金を稼ぐ所。
アタシのプライベートな事に、首を突っ込まないでよね!!
「ごめんごめん。まぁ、気晴らししたかったら言ってよ?俺、ドライブくらいなら連れて行ってあげられるからさ」