NA・NA・MI
―翌日
アタシは神谷くんから逃げるのをやめた。
「別れて欲しいんだ…」
うん、知ってる。
アタシじゃなくて、菜実が好きなんでしょ?
そんなの許せない。
でも泣いて引き止める方がもっと、アタシのプライドが許さないんだ。
「別にいいよ。元々神谷くんの事好きじゃなかったし」
「そっかぁ」
神谷くんはホッとした顔をして笑った。
何だよ、その笑顔。
アタシと付き合っていた頃、そんないい笑顔、した事なかったよな?
こんな男、菜実にくれてやるよ!