NA・NA・MI
「菜実ちゃんが謝る事じゃないよ」
煩い外野。
「ううん、私が悪いの。ごめんね、奈菜!」
菜実は泣きながらアタシに抱き付いて、耳元で囁いた。
「今度は誰と付き合うの?私が全部取ってあげる」
アタシは菜実を一回突き放し、菜実の胸ぐらを掴んだ。
「やめろ!俺が全部悪いんだよ!!」
神谷くんの登場だ。
よく出来てるな?菜実……。リハーサルでもしたのか?
アタシは思わず手を緩め、神谷くんがアタシから菜実を奪った。
「神谷くん…」
「俺が悪いんだ。初めからちゃんと菜実に告れば良かったんだ…」