でも、好きなんです。

まさかのキスのあと

翌朝、ベッドで目覚めると、時計は十時を回っていた。
 
昨日は眠れなかった。突然の窪田さんからのキス。予想だにしなかった。

(・・・ていうか、私、あれが初チューだよ・・・。)

思いだすと恥ずかしくて、思わず枕に顔をうずめる。

一体、どういうつもりなんだろう。

(単にからかっただけだろうなあ・・・。)

私があまりにも、モテなさろうだから、どんな反応するか、面白がっただけだろうなあ。

学生時代から、こんなことはよくあった。

キスまではいかないにしても、嘘のラブレターを渡されて笑い物にされたり、罰ゲームと称して、私の手を触りにきたり、嘘の告白をされたり。

ああ、嫌なことを思い出しちゃった。

ずーんと気持ちが落ち込む。

こうして思いだすと、私って、ほんとどうしようもない青春を送ってきたんだな・・・。

課長と少し仲よくなれてうきうきしてたのも束の間、窪田さんのキスで、私はすっかり混乱してしまっていた。
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