でも、好きなんです。
翌日は、大学時代の友達の美穂とご飯を食べにいった。
 
待ち合わせは、会社近くのイタリア料理店。約束の六時を少し過ぎて、店に着くと、美穂はすでに着いていた。

「ごめーん、待った?」

 そう言いながら、席に着く。
 
美穂も、千春や茉莉と同じキラキラ女子。

どうして、私の周りには、キラキラ女子が多いんだろう。

今日も、美穂はお洒落なワンピースにじゃらじゃらとした大ぶりのネックレスをかけていて、いかにもいまどきのOLさんと言う感じ。

美穂は今は銀行に勤めている。

銀行では、制服に着替えるので、通勤時の私服は自由なのだと以前会った時に聞いていた。それに引き換え、私はベージュのアンサンブルに黒のスカート、という極めて地味な服装である。

「美穂、相変わらず綺麗にしてるねえ。」

 私が思わずそう漏らすと、美穂は、少し首をかしげて、

「そう?私なんて、だいぶ地味なほうだよ。会社の子なんか、ボーナス全額服代とかいう子、たくさんいるもん。・・・愛美の地味さが天然記念物なだけ。」

美穂は思ったことをさくっと言ってしまう子だが、そこが憎めない。

まもなく、予約していたコース料理の前菜が運ばれてきた。

おいしそー!と声をあげて、二人で食べ始める。
< 21 / 70 >

この作品をシェア

pagetop