でも、好きなんです。
「とにかく、そのキスされた人とどうすんのよ?」


「別に・・・ちゃんと告白されたわけでもないし、今までどおり接するだけだよ・・・。」


「ふうん・・・。でも、一度その人見てみたいなあ。興味ある~。」


「別に、普通の人だよ。私の本命は、山村課長だもん。

 ね、それよりさ、美穂の話、もっと聞かせてよ。相手の人は、どんな人?」


 そう聞くと、美穂は照れたような表情で、うーん、とうなる。


「見た目は、かなり好みかなあ。眼鏡をかけててね、それが超似合ってるの。

 賢くて、仕事ができて、普段クールそうなのに、笑うと可愛くてね、なんていうか、うん・・・マジで、好き。」

 聞いているとこっちのほうが照れてきた。

「勢いで・・・って言ってもさ、そんな簡単に、付き合えちゃうもんなの?」


「うーん、まあ、私のほうからは、わりと好きアピールしてたかな。向こうは、だいぶ前から私の気持ちには気づいてたみたい。」


「そうなんだ・・・。なんか。レベル高いなあ・・・。」


「愛美もさ、ほんとに両思い目指すなら、アピールしなきゃ駄目だよ。

 いくらかっこいいって言ったってさ、一回りも年下の女の子に、堂々とアピールできる男なんか、少ないよ。

 ましてや家庭持ちじゃあさ。

 おじさんたちって、案外ナイーブだから。あんたからアピールしなきゃ。」


「アピールって・・・どんなふうにすればいいの?」


「そりゃ、ボディタッチとか、飲み連れてってくださいよ~、とか、出来るだけ会話するようにする、とかね。」


 なんか、レベル高いよ~。と私はすっかりビビってしまう。
< 24 / 70 >

この作品をシェア

pagetop