でも、好きなんです。
「でもさ、既婚者と付き合うなら、覚悟したほうがいいよ。

結婚なんて、夢見れないし、周りにも、気軽に話せないしね。

ホテルなんか行ってもさ、やっぱりちょっと、罪悪感とかあるし。」


ホテル・・・か・・・。なんていうか、私の山村課長への気持ちは、もっとピュアだ。


課長と体の関係を持ちたいなんて思っていない、なんていうか、ただ傍にいられて、言葉を交わせたらそれでいい。

 ・・・とか言ってたら、子どもか!って笑われるかもな。


でも、恋愛偏差値の低い私の恋愛観は、いまだにそんな程度である。


この気持ちも、そのうち変わるのかな?


今の私は、いい子ぶりっこなだけかな?


「上手く・・・できるかなあ。」


「できるかなあ、じゃなくて、やるの!あんたは、その弱気がよくないよ~。

お互い、頑張ろうね!また報告会しよ~。

ほら、乾杯!」


そう言って、美穂はグラスを高くあげた。

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