でも、好きなんです。
「どしたの、難しい顔して。」
窪田さんが余裕の笑顔でこちらを見ている。
あの日のことを聞きたいけれど、周りにたくさん人がいるこのカフェで、『キス』なんて単語を口に出す勇気は私にはない。
窪田さんは、きっとそれをよくわかってる。
だから、余裕のこの軽い調子。
(あーでも、口惜しいけど、やっぱりかっこいい。)
「な、なんでもありません。」
課長を好きなくせに、窪田さんはきっと暇つぶしで私を誘っただけ、なんて思ってちょっと落ち込んだり、私ってほんと節操がない。
「河本さんも、こういうお店で学生時代はバイトしたりしてた?」
「うーん、そうですね・・・。こういうお店はお洒落な人が多いから、なんか気おくれしちゃって。お弁当屋さんとかではバイトしてましたけど。」
「あはは、お弁当屋さんか。なんか、河本さんらしいな。簡単に想像できちゃう。」
「余ったおかずとか持って帰ると家族が喜んでたんですけど、なにせ時給が安くて!時給650円ですよ?信じられます?最低賃金割ってますよ。」
「たしかに、それはひどいなあ。」
「窪田さんは、バイトしてたんですか?」
「俺はね~、パチンコ屋とか、キャバクラのホールとか、時給重視のバイトばっか。」
「窪田さん、バイト先がイメージどおりすぎる。」
そう言って私は笑った。
「えー、どこが?!」
「なんか、軽そうな感じ。」
「あーあ、ひどいな、河本さんが俺のこと、どんな目で見てるかよくわかるよ。」
そう言っておおげさにため息をついてみせる。
「えっ、いい意味ですよ。」
慌ててフォローする。
「いい意味で軽いってなによお。」
「うーん、モテそうとか、かっこいいとか。」
「わ、なに、ちょっと、照れるな、マジで言ってる?」
「マジで言ってますよ。」
「嬉しいけど、・・・うーん、複雑な心境・・・。」
窪田さんの言葉に、私は首をかしげる。
窪田さんが余裕の笑顔でこちらを見ている。
あの日のことを聞きたいけれど、周りにたくさん人がいるこのカフェで、『キス』なんて単語を口に出す勇気は私にはない。
窪田さんは、きっとそれをよくわかってる。
だから、余裕のこの軽い調子。
(あーでも、口惜しいけど、やっぱりかっこいい。)
「な、なんでもありません。」
課長を好きなくせに、窪田さんはきっと暇つぶしで私を誘っただけ、なんて思ってちょっと落ち込んだり、私ってほんと節操がない。
「河本さんも、こういうお店で学生時代はバイトしたりしてた?」
「うーん、そうですね・・・。こういうお店はお洒落な人が多いから、なんか気おくれしちゃって。お弁当屋さんとかではバイトしてましたけど。」
「あはは、お弁当屋さんか。なんか、河本さんらしいな。簡単に想像できちゃう。」
「余ったおかずとか持って帰ると家族が喜んでたんですけど、なにせ時給が安くて!時給650円ですよ?信じられます?最低賃金割ってますよ。」
「たしかに、それはひどいなあ。」
「窪田さんは、バイトしてたんですか?」
「俺はね~、パチンコ屋とか、キャバクラのホールとか、時給重視のバイトばっか。」
「窪田さん、バイト先がイメージどおりすぎる。」
そう言って私は笑った。
「えー、どこが?!」
「なんか、軽そうな感じ。」
「あーあ、ひどいな、河本さんが俺のこと、どんな目で見てるかよくわかるよ。」
そう言っておおげさにため息をついてみせる。
「えっ、いい意味ですよ。」
慌ててフォローする。
「いい意味で軽いってなによお。」
「うーん、モテそうとか、かっこいいとか。」
「わ、なに、ちょっと、照れるな、マジで言ってる?」
「マジで言ってますよ。」
「嬉しいけど、・・・うーん、複雑な心境・・・。」
窪田さんの言葉に、私は首をかしげる。