でも、好きなんです。
待っていると、窪田さんがチケットを買って来て手渡してくれる。

「ポップコーンは?食べる?」

「こ、子ども扱いしないでください。」

「え、食べないの?俺は食べちゃうよ?」

そう言ってポップコーンのLサイズを買ってきた。カレー味のトッピングつきだ。

窪田さんが選んだ映画は、いかにもなラブストーリーだった。

「・・・なんか、意外なチョイスです。」

「そう?」

「窪田さんってもっと、アクションとかSFとか、そういう男の子っぽいのが好きそう。」

「うん、正解。」

「じゃあどうして・・・。」

「初デートでそんなの見てられないでしょ。」

「デートじゃありませんってば・・・。」

私の言葉が聞こえているのかいないのか、いいからいいから、と言って席を探し始める。


暗くて足元が見えないせいでつまずくと、窪田さんの腕にささえられた。


「大丈夫?」


私の腰に窪田さんの手があった。どきりとする。


「だ、大丈夫です。」


急いで離れたけれど、ドキッとした。


少しして、映画が始まったけど、正直映画の内容どころじゃない。


ちらりと窪田さんのほうを見ると、真剣な横顔で、思わず目をそらしてしまう。


・・・今私がちらっと見たの、バレてたかな、だったら恥ずかしい。。
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