でも、好きなんです。
課長と一緒に秋の仙台かあ・・・。

ちょっと嬉しいかも。

まあ、副部長も一緒だけど・・・笑

家でお風呂に入りながら、ひとりでにやにやする。

これから一週間、出張のための準備で少し忙しくなるかもしれないけど、頑張ろう。

というか、課長との仕事だから、いくらでも頑張れそうな気がする!



それからの一週間は、毎日、出張の資料づくりで課長と二人で残業することが多かった。

遅くまで残っていると、課長はよく自動販売機で飲み物を買ってくれた。

課長が飲むのは、いつも甘いカフェオレかココア。

大人っぽい容貌とは裏腹に、大の甘党みたい。


「課長って、甘い飲み物が好きなんですね。」

「え、あ、ああ。

味覚が子どもなのかな。

改めて指摘されると、ちょっと恥ずかしいなあ。」

「そんなことないですよ。

なんか、意外でした。」


そんな雑談をしながら、二人でする残業は、ちっとも苦にならなくて、むしろ、この時間が永遠に続くといいなと思うくらいだった。

一緒に仕事をしながら、課長の指の形が綺麗だな、とか、今日もいいにおい、とか、そんなふうに色々考えてしまって、毎日ドキドキしていた。



そんな毎日を過ごしているうちに、あっという間に出張前日になってしまった。

資料の作成が間に合わなくて、気がつけば、夜の十時を回っていた。

気がつけば、オフィスには私と課長の二人しか残っていなかった。

今までも残業の日は多かったけれど、二人きりになったのは、この日が初めてだった。
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