魔法使いの三枝くん。
……私の言いたかったことは伝えたはず。
『………橋名ちゃんはさ、
もっと魔法、かけてほしい?』
「え?」
三枝くんから帰ってきたのは、あまりに予想外の言葉で、
つい驚いた声がこぼれた。
もっと………?
『……………魔法、かけてほしい?』
なんでそんなに、辛そうな表情で言うんだろう。
なんでそんなに………。
「…………ううん、いらない。
私が嬉しかったのは………
魔法じゃなくて、三枝くんが心配してくれたことや、
笑顔に、させてくれたこと……だから」