魔法使いの三枝くん。
「お、おはよ…」
(三枝くんはすっごくいい人)
なのに、私は
冴えないし、なんだか情けない。
あー、せめてこの髪だけでも
まともにならないかなぁ?
ストレート……とまではいかないけど、
少しだけ大人しくなるように……。
……なんて無理なので、とりあえずバッグを机に置いた。
『おはよー、橋名ちゃん』
「おはよー」
私の横を通る人はみんな挨拶してくれて、
『今日も直らなかったの?』
と、言ったりもする。
「直らないんだよねぇ……」
だから、私もそう言うしかない。