魔法使いの三枝くん。


差し出された手を一度見てから、


「本当に平気!大丈夫!」


とあわてて言った。


危ない…、三枝くんに迷惑をかけるところだった……っ!


『……頑張り屋だね、橋名ちゃん』


と、三枝くんは王子様のような笑顔を見せた。


「……っ」


って、ドキドキしてる場合じゃない。

私は首を振った。


『じゃあ、少しだけ手伝わせて』


「へ?」


三枝くんは指をパチン…っと鳴らせて、

いつものようにまた、笑った。





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