さくら駆ける夏
帰宅後
私たちは「ただいま」の挨拶とともに家の中へと入ると、まずそれぞれの部屋へ戻った。
ジョセフさんと会ってた時は、緊張のせいか、あまり気にならなかったけど、スカートがまだ乾いてなかったし……。
なので、すぐに着替えることにした。
それから私は、今日の出来事を話し合うために、涼君のお部屋へ向かう。
今日だけでも、たくさんの新情報をゲットできたことは嬉しかった。
あまり解決に近づいたようには思えなかったけど、それは仕方ないよね……。
しばらく、涼君のお部屋で、おしゃべりを楽しんだ。
そのあと、涼君が「将棋を教えて」と言ってきてくれた。
私は喜んで、ノートとペンを使いつつ、駒の動かし方やルールなどを教えることに。
やがて、夕食の時間となり、私たちは楽しくご飯を食べた。
夕食のあとも、しばらく将棋を教えていたけれど、お風呂が空いたということを美優さんが伝えてくれたので、先に入らせてもらうことに。
お風呂から上がって、自分の部屋に戻ると、涼君がドアをノックして「一髪屋さんからメールが来たから、ちょっと俺の部屋に来て」と言いにきてくれた。
私は急いで涼君の部屋に戻る。
メールによると、一髪屋さんが体調不良らしく、DNA鑑定の日を先送りしてもらえないかということだった。
体調がよくないのなら仕方ないということで、「鑑定の予定はいったんキャンセルということにしましょう」と、涼君が提案してくれて、そのように一髪屋さんにも伝えてみる。
すると、すぐに返事が来て、一髪屋さんにも同意してもらえたようだ。
体調がよくなり次第、一髪屋さんのほうから連絡してもらうことにして、そのとき改めて日取りを決めるということになった。
「一髪屋さん、大丈夫かな」
私はちょっと心配になった。
「うん、早く良くなるといいね」
涼君も、少し憂いを帯びた表情で言う。
「じゃ、気を取り直して、また将棋講座の続きをお願いします!」
私を元気付けるかのように、明るく言う涼君。
私はまた、涼君に将棋を教えた。
「それじゃ、そろそろ寝るね」
いつの間にか遅い時間になっていたので、私が言った。
「明日はどうする? ヒサさんの退院はあさってなんだよね。準備とかがあるのかな?」
そうだった。
おじいちゃんがあまり使う予定のないモノは、明日のうちに家に持って帰るのもありかな……。
退院日の月曜に、全てこなすのは大変だろうし。
「そうだね。明日から少しずつ、退院準備しなくちゃ。荷物を持ち帰るだけだから、そんなに時間はかからないと思うけど。出来れば午前中に済ませるつもりだよ」
「それじゃ、手伝うよ」
涼君は「手伝うのが当たり前」みたいな自然な調子で言ってくれる。
「ありがとう!」
「明日の午後は、ちょっと友達から水族館とカラオケに行く誘いがあってね」
「あ、でもそれだと……午前中はゆっくりしたいだろうし、私たちのお手伝いについては、あまり無理しないでね。退院準備は、私だけでもどうにかなるはずだし」
涼君のご厚意は嬉しいけど、無理はしてほしくなかった。
「俺も一応、サッカー部の主将だから、大丈夫だよ。そんなにヤワな身体じゃないし」
「そうだよね、ありがとう。でも無理だけはしないでね」
「うん、大丈夫」
それから、おやすみの挨拶をした私は、自分の部屋へと戻った。
部屋に戻った私は、少し気になりだしたことがあった。
涼君が明日会う友達って……男子よね?
最初聞いた時はそうとしか考えてなかったんだけど。
涼君はあんなにかっこいいから、女子の友達がいてもおかしくないと、ふと思いついて心配になって。
実際、サッカー部のあのマネージャーさんとも、すごく仲が良さそうだったし……。
そんなことを考えて、その夜はなかなか寝付けなかった。
ジョセフさんと会ってた時は、緊張のせいか、あまり気にならなかったけど、スカートがまだ乾いてなかったし……。
なので、すぐに着替えることにした。
それから私は、今日の出来事を話し合うために、涼君のお部屋へ向かう。
今日だけでも、たくさんの新情報をゲットできたことは嬉しかった。
あまり解決に近づいたようには思えなかったけど、それは仕方ないよね……。
しばらく、涼君のお部屋で、おしゃべりを楽しんだ。
そのあと、涼君が「将棋を教えて」と言ってきてくれた。
私は喜んで、ノートとペンを使いつつ、駒の動かし方やルールなどを教えることに。
やがて、夕食の時間となり、私たちは楽しくご飯を食べた。
夕食のあとも、しばらく将棋を教えていたけれど、お風呂が空いたということを美優さんが伝えてくれたので、先に入らせてもらうことに。
お風呂から上がって、自分の部屋に戻ると、涼君がドアをノックして「一髪屋さんからメールが来たから、ちょっと俺の部屋に来て」と言いにきてくれた。
私は急いで涼君の部屋に戻る。
メールによると、一髪屋さんが体調不良らしく、DNA鑑定の日を先送りしてもらえないかということだった。
体調がよくないのなら仕方ないということで、「鑑定の予定はいったんキャンセルということにしましょう」と、涼君が提案してくれて、そのように一髪屋さんにも伝えてみる。
すると、すぐに返事が来て、一髪屋さんにも同意してもらえたようだ。
体調がよくなり次第、一髪屋さんのほうから連絡してもらうことにして、そのとき改めて日取りを決めるということになった。
「一髪屋さん、大丈夫かな」
私はちょっと心配になった。
「うん、早く良くなるといいね」
涼君も、少し憂いを帯びた表情で言う。
「じゃ、気を取り直して、また将棋講座の続きをお願いします!」
私を元気付けるかのように、明るく言う涼君。
私はまた、涼君に将棋を教えた。
「それじゃ、そろそろ寝るね」
いつの間にか遅い時間になっていたので、私が言った。
「明日はどうする? ヒサさんの退院はあさってなんだよね。準備とかがあるのかな?」
そうだった。
おじいちゃんがあまり使う予定のないモノは、明日のうちに家に持って帰るのもありかな……。
退院日の月曜に、全てこなすのは大変だろうし。
「そうだね。明日から少しずつ、退院準備しなくちゃ。荷物を持ち帰るだけだから、そんなに時間はかからないと思うけど。出来れば午前中に済ませるつもりだよ」
「それじゃ、手伝うよ」
涼君は「手伝うのが当たり前」みたいな自然な調子で言ってくれる。
「ありがとう!」
「明日の午後は、ちょっと友達から水族館とカラオケに行く誘いがあってね」
「あ、でもそれだと……午前中はゆっくりしたいだろうし、私たちのお手伝いについては、あまり無理しないでね。退院準備は、私だけでもどうにかなるはずだし」
涼君のご厚意は嬉しいけど、無理はしてほしくなかった。
「俺も一応、サッカー部の主将だから、大丈夫だよ。そんなにヤワな身体じゃないし」
「そうだよね、ありがとう。でも無理だけはしないでね」
「うん、大丈夫」
それから、おやすみの挨拶をした私は、自分の部屋へと戻った。
部屋に戻った私は、少し気になりだしたことがあった。
涼君が明日会う友達って……男子よね?
最初聞いた時はそうとしか考えてなかったんだけど。
涼君はあんなにかっこいいから、女子の友達がいてもおかしくないと、ふと思いついて心配になって。
実際、サッカー部のあのマネージャーさんとも、すごく仲が良さそうだったし……。
そんなことを考えて、その夜はなかなか寝付けなかった。