伝えたい音
「奏(かな)はバカだ」

だいちゃんはいきなり僕をバカだと言った



「奏(かな)と美波ちゃんはもう始まっているんだ」


「なんで」


「奏(かな)の気持ちは美波ちゃんへと向かっているじゃないか」


僕は黙った




美波が口を開いた




「奏(かな)、昨日と同じ時間に今日も待ってる。二人で話そ?」




僕は首を縦にも横にも振ることはなかった




そして一人でホテルへ戻った
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