伝えたい音
フェリーの中でずっとだいちゃん達は喋っていた


僕は風景を見ながら黄昏ていた


すると美波に声をかけられた


「あなたの名前は?」


「僕は清野奏(かな)」


「かな?かなって名前なの?」


「うん。親が音楽一家でね。奏でるの奏だよ」


「そっちね…」


「そっちってなんか別にあるの?」


「いや、ないわ」



君はそういうと黙った




僕も黙った






だいちゃん達の会話が聞こえていた



どうやら同じホテルらしい
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