肉食系男子に、挟まれて~アザーストーリー~【完結】
「……え、と?」
「あ。コレ、タッパ洗っておいたから。
ご馳走様でした」
「ああ、わざわざどうも。
って、え!?もう帰るの!?」
用は済んだ。もうここにいる必要がない。
だから、私は笑顔ではいっと頷く。
「ちょっと待って。さっき、料理作ったんだけど」
「……」
何、料理で釣るつもり?
じとっと横目で見るけど、部屋の中から漂って来るいい香り。
……肉か。
「スペアリブ。どう?食わない?」
「……」
食べ物で釣られない、釣られない。
………。
「…………食べる」
私の意識とは反対に、そう言葉が出る。