肉食系男子に、挟まれて~アザーストーリー~【完結】

私の背中に腕が回って、ぎゅうっと抱き締められる。
力強く、ぎゅうっと。


私は何度も目をぱちぱちとさせた。



「あまりにも真央梨が可愛くて、やっばい。
暫くこうしてて。でないと、理性飛ぶ」

「…り、」


理性が飛ぶだと?
それは困る。

だから、じっと固まって動かずに息を潜めるけど。


ドキドキとさっきから、聞こえて来て。
それが私のモノなのか、彼のモノなのかわからなくって。


段々と顔が熱くなって来る。



「はあ、とりあえず収まった」



暫くぎゅうっと抱き締めた後、彼はぱっと腕を離して私と距離を空けた。

彼は髪の毛を掻き上げると、私を見ずにぼそっと言う。


「真央梨、天然勘弁な」



どこがですか。
天然って何。
初めて言われたんですけど。


それに。
このドキドキ、どう対処したらいいのよ。


どうやら、訝しげな顔で口を真ん丸に開けてたみたいで。
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