肉食系男子に、挟まれて~アザーストーリー~【完結】
ぎゅうっと私の腰辺りにしがみつくのは、真中さんだ。
顔をバッと上げて私を見ると、顔をぐしゃあっと歪める。
「え?え?」
何、どうしたの。何何。何があった。
あわあわしながら動揺してると
「もう、嫌だーーーーー」
と、私の洋服に思いっ切り顔をつけて泣きだした。
「ちょ、え」
どうしたの。何があった。
樫君か?樫君の事なのか?
「とりあえず、場所移動しようか」
宥めながらそう言うと、頷く彼女を空き教室へと連れて行く。
椅子に座らせて、向かい合った。
「何があったの?」
「………」
唇を噛み締めながら、段々と彼女の眉が下がっていく。
「樫君が連絡、くれない」
「……連絡?」
「丸一日、無視ですよ?あり得なくないですか」
思わず、ずるっとこけそうになった。
何だ、そんな事かって思ってしまったけど、彼女は本気で悩んでるんだ。