肉食系男子に、挟まれて~アザーストーリー~【完結】

「今日は金曜日だね、安西ちゃん」

「……そうですね」

「花金だね」

「……そ、そうですね」

「んじゃ、飲みに行こう!逃がさないから。ふふ」

「…………あ、はは」


いつもなら、よっしゃあ!飲みに行くぞ!って気持ちになるのに、今日ばかりはならない。
ならないよ。
辻先生の事だ。


きっと、根掘り葉掘り聞いてくるんだろう。


それを考えると、今から頭が痛い。



絶賛、モテ中!なんて、陽気に言えるわけない。
まさにそれが悩みの種なのだから。


まだ、春斗だけならどうにかあしらってたかもしれないけど、流石に久住君の事は無理だ。
きちんとしないとって気持ちばかりが逸る。


なるようになっちまえって、放り投げたいわ。
いや、出来ないのは重々承知してます。はは。



それから、特に春斗とも久住君とも顔を合わす事無く時間は過ぎて行った。

< 119 / 312 >

この作品をシェア

pagetop