肉食系男子に、挟まれて~アザーストーリー~【完結】
「今日は金曜日だね、安西ちゃん」
「……そうですね」
「花金だね」
「……そ、そうですね」
「んじゃ、飲みに行こう!逃がさないから。ふふ」
「…………あ、はは」
いつもなら、よっしゃあ!飲みに行くぞ!って気持ちになるのに、今日ばかりはならない。
ならないよ。
辻先生の事だ。
きっと、根掘り葉掘り聞いてくるんだろう。
それを考えると、今から頭が痛い。
絶賛、モテ中!なんて、陽気に言えるわけない。
まさにそれが悩みの種なのだから。
まだ、春斗だけならどうにかあしらってたかもしれないけど、流石に久住君の事は無理だ。
きちんとしないとって気持ちばかりが逸る。
なるようになっちまえって、放り投げたいわ。
いや、出来ないのは重々承知してます。はは。
それから、特に春斗とも久住君とも顔を合わす事無く時間は過ぎて行った。