肉食系男子に、挟まれて~アザーストーリー~【完結】
部屋の前に到着すると、私は鍵を開けた。
中に入って春斗と向かい合う。
「んじゃ、次からはまじで俺の事呼んでよ」
「……うーん」
「何時とか、迷惑とか、そんなん気にしなくていいから。
寧ろ、勝手に帰って来てその顔振りまく方が余程迷惑」
「ぶはっ、振りまくって何」
「だって、そうだろ。俺の中で、もう全てが可愛いんだから」
「…っ、よく、そんな恥ずかしい事を」
「……」
可愛い可愛い連呼して、恥ずかしいったらない。
視線を伏せた私に、春斗はニマーっと意地悪く笑う。
それはまるで何か思いついたイタズラッ子の様だ。
……恐ろしいんですけど。
「俺の本心だけどね。真央梨、最高に可愛いよ?」
「……や、めようか」
「やーめない」
ああ、もう。ニヤニヤ、ニマニマ嬉しそうにしやがって。
こっちは恥ずかしくて顔、直視出来ないっていうのに。
無理矢理扉をしめようとするけど、男の人の力には敵わない。