肉食系男子に、挟まれて~アザーストーリー~【完結】
職員室に戻ると、そこには春斗がいて思いっ切り目が合ってしまった。
「安西先生、おはようございます」
「あ、おはようございます」
ニコリともせずに春斗が言った。
だから、私もそれだけ告げてすぐに自分の机へと向かう。
机に楽譜を置いて、椅子を引く。
隣に辻先生がいない。
トイレかな。
楽譜を引き出しにしまってから、私は文化祭のプリント作成。
それに集中してると、肩をぽんっと叩かれた。
「安西ちゃん、おはよ」
叩いた相手は辻先生だ。
コーヒー片手に、ニッコリ笑顔を見せると椅子に座ってこっちに体を向ける。
あああ、何だ。
もう、辻先生の顔を見ただけで泣きそうだ。
「……何、その顔。また見たいテレビ見逃したの?」
相当酷い顔をしてたのかもしれない。
テレビじゃないんです。テレビじゃ。
てか、テレビだったらどんなによかったか。
これは現実ですよ、リアルで、現実。