肉食系男子に、挟まれて~アザーストーリー~【完結】
大丈夫かな、久住君。
熱って、風邪かな。
咳とか酷いのかな。
文化祭、ちゃんと出られるのかな。
様々な疑問だけが頭に浮かんで行く。
……ああああ、気になる。
「どうしたの、安西ちゃん。頭抱えて」
「えっ!?」
私が職員室で一人で頭を抱えているのをバッチリ辻先生に見られたらしい。
びくっとしながら、振り返る。
「何かあった?」
「いや、ちょっと」
「そういえば、あのワンコ、熱出したってね」
「……」
それ、話題逸れてないし。
しかもワンコって。
「連絡してやれば?」
サラっとそう言われて、私は目を真ん丸にした。
そうか。
電話すればいいんだ。
いや、待て。
熱あるのに電話して迷惑じゃないか?
寝てたりしたら起こしちゃうんじゃないか?
また腕を組み考え込むと、辻先生がはあああっと盛大な溜め息をつく。