肉食系男子に、挟まれて～アザーストーリー～【完結】

彼が私を好きだっていう優越感。
だから、離れていくのが嫌だったんだ。


私を見ていて欲しいだなんて。
そんな、あさましい事を思ってたんだ。


“安西ちゃんにもズルイとことかあるんだなって思ったら安心したんだよ”


こういう事だったんだ、辻先生。


私は春斗を、キープしようとしてたんだ。

良かった、春斗が私を諦めてくれて。
きっと、言われなかったら私はそのままズルズルとどっちつかずの態度を取ってたかもしれない。



“どっち付かずな態度が一番残酷だから、それだけはやめなよ？
優しい様に見えて、一番酷いから”


そんな事を、私はしてしまいそうだったんだ。



……何？辻先生ってまじでエスパーですか。


『…あの、先生？』


黙ったままの私を不思議に思ったのか、久住君が尋ねて来るから私は慌てて返事をした。