肉食系男子に、挟まれて~アザーストーリー~【完結】
「ごめんごめん、ちょっと驚いちゃって。
これ以上熱が上がらない様に、今日はもう電話を切るかな」
『え?もう切っちゃうんですか』
「うん。早く元気になってね。文化祭近いんだから」
『…はい』
「久住君のバンド、楽しみにしてるんだからね?」
『っ!……絶対治します!つか、熱あっても行きます!』
「いや、そこまでは止めて下さい」
『だって、先生が…』
「熱あったら強制で家に返します」
『…先生が送ってくれるならそれでもいい』
「ダメでしょ。一緒にやるメンバーに迷惑かかるんだから」
『……はい』
しゅんっとする久住君に、ふふっと笑みが零れた。
耳が垂れてるのが、容易に想像出来る。
私まで久住君を犬扱いか。
いかんいかん。
「バンド、成功したらまた定食屋連れてってあげるから」
これぐらい誘うならいいよね?