肉食系男子に、挟まれて~アザーストーリー~【完結】
数分とせずに中に入って来た春斗。
一人椅子に座る私を見付けると、眉を顰めた。
「一人なわけ?」
「そうですけど」
「何で?」
「……何でも」
「さっき、久住といるの見たけど」
「っ!!」
見られてたわけ?
春斗に見られたって事は、他の生徒にも見られてるかもしれない。
それはマズイ。
「誰かに見られたりは大丈夫だと思うけど。
俺以外そこに誰もいなかったし」
何。辻先生も春斗もエスパー?
私ってそんなに顔に書いてある?
心の中で思うと、春斗の方を見上げた。
「それで?久住は?」
「……バンドあるから行った。って、私もそろそろ行かないと。
始まっちゃうじゃん」
私は立ち上がると、食べかけのクレープを手にする。
……ここに置いてくわけにいかないしね。