肉食系男子に、挟まれて~アザーストーリー~【完結】
素直な気持ち


最後まで、私は久住君だけを見ていた。





久住君も、演奏の合間に私を見ては微笑む。


さっき、久住君を拒否した私なのに。
彼はそんな事関係ないかの様に、笑った。



演奏が終わった後、私は久住君の元へは行かずすぐに体育館から外へと出た。
少し歩いた先に辻先生が立っていて、私に気付くと手を上げた。

私は辻先生の前まで走り寄る。


「終わったみたいね」

「…はい」

「あー…もうすぐでやっと文化祭一日目終わりだね」

「ですね」

「まあ、最後に大仕事残ってるけどね」

「……頑張りましょう」


辻先生は心底めんどくさそうだ。
行事ごと、嫌がるくせにちゃんとやるところは辻先生だと思う。

仕事だからね、とばっさり言いそうだけど。
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