肉食系男子に、挟まれて~アザーストーリー~【完結】
「明日もトラブルなく、過ごせるように注意しましょう」
教頭先生がそう言って締めたのに、皆で返事をする。
明日で終わり。
それからは中間テストで忙しい現実に引き戻されるわけだ。
少しだけ憂鬱な気持ちになる私に、辻先生が耳打ちして来た。
「それじゃ、私と山本先生は飲みに行って来るわね」
「あ、そうでしたね。行ってらっしゃい」
「安西ちゃん今度飲みに行こうね」
「了解です」
そう言って、春斗の元へ歩いて行く辻先生。
春斗はこっちを向くと、「また明日」と言って手を上げた。
それに手を振って返すと、二人を見送る。
……さて、と。
私は帰って一人で晩酌かな。
人も疎らな校内を歩きながら、私は職員玄関へと向かう。
靴に履き替えて、外へと出た。
少しだけ風が吹いて肌寒い。
校門を潜り抜けると
「あ。安西先生」
そう声がかかる。