肉食系男子に、挟まれて~アザーストーリー~【完結】
そこにいたのは。
校門に寄りかかり立っている久住君だった。
「久住君!まだ帰ってなかったの?」
私は慌てて彼の前へと走り寄る。
「はい。てか、先生待ってました」
「え?私を?」
「……忘れたんですか?バンド成功したら定食屋連れてってくれる事」
「あ」
そうだった。
熱を出した彼に電話をかけた時に、そう言ったんだ。
忘れてたわけではないんだけど、てっきり帰ったと思ってた。
「あ。って。それ、忘れてましたよね?」
「違う違う」
疑いの眼差しを向ける久住君に私は曖昧に笑うと、
「よ、よーし!行こうか!」
なんてわざと明るい声を出した。
「まったく、先生は」
「あはは~」
横に並ぶ久住君は口を尖らせて拗ねている。
そんな顔も可愛いだなんて、とてもじゃないが言えないぜ。