肉食系男子に、挟まれて~アザーストーリー~【完結】
「バンド、本当に上手だったね。凄かったよ」
「……」
まだムスっとしてる久住君。
どうにか機嫌を直して貰おうと、私は必死に話しかけた。
「えっと、あの、すっごくすっごくカッコよかった!」
「っ!それ、本当ですか?」
何気なく言った私の言葉に、久住君はガバっとこっちを向いて確認して来る。
少し驚きながら、私は頷いて「うん」と肯定した。
「……嬉しいです」
「そう。よかった」
「カッコいいって先生が初めて言ってくれました」
「……そうだっけ?」
確かに、毎回可愛いとしか思ってなかった事は認めるけど。
「先生、俺を男として意識してるかわからないし」
「え!?」
なんですと?
散々ドキドキさせられたのに!
意識しまくりで、今は好きだっていうのに!