肉食系男子に、挟まれて~アザーストーリー~【完結】
エピローグ
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「久住航生!」
「はい!」
シンと静まり返る体育館で、彼の凛とした声が響く。
それを私は見守り続けた。
今日、彼はこの高校を卒業する。
無事に卒業式が終わると、彼達は中々帰らずに校門近くで話していた。
その中に久住君を見付ける。
久住君も私を見付けると、笑顔で走り寄って来た。
「安西先生!」
「久住君、卒業おめでとう」
「……ありがとうございます」
嬉しそうに顔を綻ばせる彼に、私の顔も緩む。
「えっと、こっち」
彼は喧騒から離れると、人気のない場所まで私を連れて来た。
正面から対峙して、久住君は真っ直ぐに私を見つめる。