肉食系男子に、挟まれて~アザーストーリー~【完結】
お隣さん
うわ、時間に遅れそう。
もう。深夜に『愛の戦士ドリームパイン』やってたし、仕方ないよな。
急がないと。
急いでヒール靴に足を入れて、私は玄関を飛び出す。
その時、丁度チャイムが鳴った様な気がした。
ガンッ!
「ぶぎっ!」
……がん?ぶぎ?
何事?私は恐る恐る扉の先を覗き込む。
そこには黒ぶちメガネをかけた男の人が立っていた。
その人は鼻を抑え込んでいる。
犯人は多分、ってか、絶対に私。
「はっ!?す、す、すみません!!!」
慌てて謝ると、彼はははっと空笑いしながら大丈夫を繰り返す。
「え、と。うちに何か御用ですか?」
家の玄関前に立ってたんだ。
何か用があったんだよね?
首を傾げながら尋ねる。