肉食系男子に、挟まれて~アザーストーリー~【完結】


「俺ズルイ事して、気を引こうとしてたかもしれません」

「うん」

「だから、負けたのかも」

「そっか」

「あー……、ちょっと俺泣きそうですわ」

「……アホかああ」



突然声を張り上げた辻先生に、肩をびくっと揺らして驚く春斗。



「山本だってしっかり安西ちゃんを好きでいたんでしょ?」

「……はい」

「何を泣く事があんの!誇りなさいよ!こんなに好きだったんだって。
それで諦めようとしてる山本、あんたはカッコいいよ。うん」

「……少し、酔ってますか?」

「どこがだ。酔ってない。まだまだ足りん」

「……ふは、辻先生って面白いですね」

「惚れるなよ。まじで迷惑だから」

「ぶっ、そんなハッキリ言います?」

「言います」


素っ気なく言うと、辻先生はまたお酒を頼んでいた。
今度は芋焼酎ロックだ。


それと一緒に春斗も注文する。同じサワー。


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