肉食系男子に、挟まれて~アザーストーリー~【完結】


「まあ、冗談だと思われてもいいですけどね」



後ろからそう声が聞こえる。
え?と思って、振り返った時には既に山本先生は自分の席に戻って行くとこだった。



「左手に虎。右手に犬か」

「……何の話ですか」


辻先生が腕を組みながら、意味不明な事を口にした。


「ほら」


顎でくいっと示す方向を見る。
と、職員室の扉を開けて中に入って来た久住君がそこにいた。


「あ。久住君」

「ね?犬」

「生徒を動物にしないで下さい」

「ふふ、もしかしたら狼かもよ?」

「……ないですから」


全く、辻先生は。
久住君が狼だったら、他の男子はどうなるんだ。

更に山本先生なんか、どうなってしまうんだ。
百獣の王か。はたまた恐竜か。

……って、アホか。


何を真面目に考えてるんだ。私は。
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