肉食系男子に、挟まれて~アザーストーリー~【完結】
私は教科書を持つと、久住君の元へと歩く。
久住君は私を見付けると、満面の笑みを向けた。
「久住君、行こうか」
「はい」
私の受け持つ教科は英語。
空き教室に入ると、向かい合わせに座って教科書を開く。
「久住君は動詞を…えっと、例えばこのworryとかね。
それを適切な形にするのが苦手かな」
「そうかもしれないです」
そう言いながら、説明して行く。
何度も何度も考えて、理解出来た彼はパアッと笑顔を見せた。
「そういう事だったんですね!
わかりやすかったです、先生」
「ふふ、よかった。久住君は飲み込み早いから教えてて私も楽しいよ」
「先生の教え方が上手だからですよ。
それに英語の発音もとっても綺麗」
「そうかな」
「はい、そうですっ」
ああ。可愛い。
ふわふわしてるなあ、本当に。
可愛いからって贔屓してるつもりは一切ないけどさ。