肉食系男子に、挟まれて~アザーストーリー~【完結】
「どうしたんですか?」
「え?」
「俺の顔に何かついてます?」
じっと見過ぎてしまってたらしい。
私は手をぶんぶんと振りながら、慌てて否定した。
「違う違う、久住君の髪の毛いつもふわふわだなって思って」
そう言った後、久住君はキョトンとした顔を見せた。
目をくりくりとさせながら、私を真っ直ぐに見つめる。
それから、久住君はぐいっと身を乗り出すと
「触ります?」
と上目遣いで笑った。
「えっ」
目の前にはふわふわの髪の毛。
まさか、こんな事を言われると思ってなくて、完璧動揺。
「いや、えっと」
触りたいっていうわけ、いや、触りたいけど。
そうじゃなくて、なんか、変な方向に話が進んでる様な気がしてならない。
何だ、私思考がおかしくないか。