浮気彼氏【完】
☆4 SIDO黎二
高校の入学式の時、オレは一目惚れをした。
その、色素の薄い瞳も、柔らかそうでフワフワした髪も、思わずキスしたくなる唇も、透き通る様に白い肌も、儚げな雰囲気も・・・全部がオレを魅了して、目を離すことが出来なかった。
彼女の名前は雛森 愛。
残念ながら、同じクラスにはなれなかったけど、廊下ですれ違う時やどこかで姿を見かけるだけで、オレは胸がドキドキと煩いくらいに鳴り響いた。
彼女は控えめな性格だけど、凛としていて、何となく近寄りがたいと思っていた。
2年になり、同じクラスの欄に彼女の名前を見つけた時は、本当に嬉しくて・・・。
いつも以上にテンションが上がった。
彼女と友達になりたい。
いや、むしろ付き合って、彼女をオレのモノにしたい。
そんな事ばかり考えてたオレは、どんだけ女々しいんだろう。
『学校の王子様』が、聞いて呆れる。
そんな俺に幸運な出来事が起こったのは、4月最初の席替えの時。
クジを引いて向かった先には・・・愛ちゃんが居たんだ。
・・・いや、正確には隣の席なんだけども・・・。
愛ちゃんは、俺に向かってはにかんだ笑顔を見せて
「あ・・・、私、雛森 愛です。よろしくね?。」
そう言った愛ちゃんは本当に可愛くて・・・。
思わずキス・・・しそうになった。
・・・アブナイアブナイ。