浮気彼氏【完】
オレは、いきなりのこと過ぎて頭が付いて行かず・・・ただただ固まったまま。
美希は、そんな俺を見てクスリと笑って、近付いてきた。
・・・待て。
待て待て、ちょっと待て。
「み・・・美希?分かってると思うけど、オレ今、フロ、入ってるんだけど?」
「うん、知ってる。だから、私も入ろうかなって思って、入って来ちゃった。」
ニッコリと笑う美希は、女の顔をしていて・・・ようやくオレは、自分の浅はかさに気付いた。
「ね、黎二。昔は一緒にお風呂はいったよね?懐かしいね?」
美希はそう言うとオレのいる湯舟に静かに入ってきた。
「いつの間にか黎二、一緒に入ってくれなくなっちゃってさ、美希、淋しかったよ?」
そして、美希はオレの足の間に入り込み、俺の胸へと擦り寄ってきた。
「美希ね、気が付いたら黎二の事、好きになっちゃったんだ。黎二には愛ちゃんが居るの知ってるよ?だからさ、付き合ってなんて言わない。だけど、美希、黎二と離れたく無いんだ。だからさ、美希のことも、そばにいさせて欲しいの。ダメかなぁ?」
美希はそう言いながら、オレの肩や腕、首すじを撫でる。