浮気彼氏【完】
「ね?黎二?美希の事、好きにしていいんだよ?だからさ、シよ?みき、黎二と繋がりたい。」
オレの耳元に美希の呼吸と女の声が響き、美希の胸が俺に押し付けられて・・・。
・・・もう、限界だ・・・・。
オレは、ザバリと音を立てて立ち上がった。
そして、その勢いのまま浴室を出る。
「え・・・ちょ・・・、黎二?」
湯船に置き去りにして来た美希は、オレの行動の意味が分からず、戸惑いの声を上げている。
オレは、そんな美希を気にすることなくタオルで体を拭き、サッサと服を着た。
美希に迫られても、俺の分身はピクリとも反応しなかった。
それどころか、美希が触る場所が気持ち悪い。
思い出すだけで吐き気がする。
あぁ、愛に会いたい。
オレは、美希を待たず、自分の荷物を持って家を出た。
幼馴染だと思っていた。
オレにとっては、妹のような存在だと思っていた。
だからこそ、なんでも許してきたし、他の友達よりも優先して来た。
・・・だけど・・・。
愛。
オレ、もしかして、愛を傷付けてた?
気が付くと、オレは愛の家へと向かって走っていた。